国民民主党代表の玉木雄一郎氏が事実上の消費税増税について解説している。
3行で要約
・税率が変わらなくても物価上昇は実質的に消費税増税。
・令和4年度は空前の消費税収が見込まれる。
・消費税率を下げても税収は変わらないのだから減税すべき。
物価高=消費税増税
物価高で国民が苦しむ中、岸田政権は複雑で不公平な補助金ばかりを繰り出して公平に負担を減らす”消費税減税”には踏み込まない。
そればかりか、実はすでに消費税は実質的に増税されていた。
というのは、税率は変わらなくても元の物価が上がっていれば税額も同時に上がっているという至極単純なからくりで、単純すぎて見逃しがちだが実は国民にとっては大きな負担増となっているのである。
補正予算で過去最高額の税収が明らかに
11月8日に公開された2022年(令和4年)度の2次補正予算を見てみると、実際に税収がどの程度増えているかがわかる。
財務省が公開している予算額概算(上図)によると、歳入(税収)は当初予算に比べて3.1兆円増えている。
税収増加分の内わけとしては、所得税が1位で約50%となる1.6兆円、消費税が2位で約20%となる0.6兆円にのぼる。
ここでひとつ気づくことがあるとすれば、所得税や消費税といった”公平に徴収される税金”が増えた半面、その税収がエネルギー価格上昇対策などの”公平ではない補助金”に使われるということだろう。
もちろん不自然な上昇を続ける一部のエネルギーや食品に対する対策は不可欠であるが、その前に、まずは国民全体が等しく恩恵を受けられるであろう消費税の減税を打ち出してほしいと多くの国民が望んでいるのではないか。
景気と税の正しい関係
本来税金とは、景気が良い時に市場に出回りすぎたお金を減らすためのツールである。
そして今の日本のように景気が悪い時には税金を減らすことで市場のお金の循環を促すべく調整するための”調整弁”として機能するものである。
にもかかわらず日本政府、とりわけ自民党政権、とりわけ岸田政権に於いては減税という手段は決して取らず、特定項目、特定団体への補助金という形に異常に固執しているように見える。
配るために集める?
驚くことに、政府税制調査会ではすでに今後の消費増税が議論され始めている。
10月26日に開かれた政府税調の総会では消費課税がテーマとなり、国民が今まさにスタグフレーションに苦しむ最中にあって「10%のままでは財政が持たない」「消費税率の引き上げについて考える必要がある」などと議論されているのである。
このような国民との”ズレ”を目の当たりにする度、自民党は本当に『支援団体に利権を配るために税金を集めている』のではないかとゲスの勘繰りをしてしまっても無理はない。