Follow the Money
▶日経テレ東大学『タブーの正体…そして真偽 暴露に正義はあるか』
常にその発言や言動で賛否を巻き起こすNHK党党首の立花孝志氏と参政党神谷氏が日経テレ東大学に出演した際の「政党とお金」についての発言。
立花孝志氏
「『お金をどこからもらっているか』をまず調べることです。
僕は選挙のときは常に言います。
我々は政党助成金以外は受け取りません。
税金で貰っているお金でしかやらないから皆さんに平等なことが出来ます。」
(中略)
「我々は明確に今回SNSでは“腐った権力との闘い”、政見放送や新聞では“年金生活者は受信料払わなくていい”っていう、だから我々実は高齢者からの支持結構いただいてるんですよ。
もうメディアによって言うこと分けました。
で、これからの伸びを考えているので、その参政党さんはやっぱり理想を語ってらっしゃるんです。
で若い人は理想についていくんですけど、僕はやっぱり現実をいかなきゃいけない。
やっぱり言う以上は実現しなきゃいけないですよね。
だから1票いただく以上は1票投じていただいた方に何かをお返ししなきゃいけないってのを常に考えているので、だからNHKから裁判されたら我々が全額お支払いします、生活保護の方が電気代、水道代払えない、電話代払えない、そのときにはお金をお貸ししますというような、ちゃんとリターンできるところをすごく信頼を取りながら戦ったんですよ。
でも僕は正直参政党さんを見ていて、確かに良いことは言ってるけども、じゃあそれが具現化出来てね、有権者のみなさんが納得できるのかっていうのはすごく危ういなっていうか。
やっぱりすぐに信頼ってある程度目に見える形で返さないとね、特にお金を取っちゃってるから、賛同者からね。
僕これまでと同じことをしてると思うんですよ。
だからネットを使うメリットってお金を使わずに儲けられるっていうのを、逆にネットをしながらお金を貰ってることについてはちょっと逆にこの先どうなんだろう?と。」
(中略)
「パチンコ雑誌は勝ち方を教えるよりも、ただリーチの確率とかを教えてる勉強しても全く意味のない雑誌のほうが2倍3倍売れている。
ハッキリ言って詐欺ですよ。
でも、こっち(意味の無い方)が売れることを僕は知っているので、まぁそういう意味では神谷さんは上手いことやってるなと。
ちょっと言い方悪いですけどね。
だって本当にお金を貰ってじゃあ何を返せるのかな?って思うんですよ。
お金を貰った有権者に、直ちに『参政党に投票して参政党に寄付をして良かったな』と何か出せるのかな?と思ってるので、その点は若い人はどうしても気持ちのいい言葉に乗っちゃうので、だから僕はそこらへん、神谷さんにどう期待に答えていくのか教えて欲しい。」
政党の多くは政党交付金と献金で成り立っている
政党の収入についてはいろいろありますが、最も大きいところで言えば政党交付金と企業、個人による献金でしょう。
政党交付金とは「国会議員5人以上を有する」もしくは「国会議員を有し、前回の選挙(諸条件は略)で得票率2%以上」を条件として交付される助成金です。
計算方法は2022年参院選でNHK党が大々的に触れ回っていたため聞き覚えがあると思いますが、ザックリ言うと、国民1人あたり250円✕人口を総額とし、各党へ議席数や得票数を元に振り分けられる、とされています。
そして2022年参院選を受けてNHK党が受け取る政党交付金は、NHKの資産では2億6200万円ほどとされています。
立花氏は、NHK党はこの税金を財源とした交付金のみで活動している、という点において忖度無く平等な政治が出来るということを強みとしています。
また、政党を支える収入には企業や個人による献金も大きな割合を占めています。
以下は、自民党が集める企業献金についてのランキング記事です。
▶会社四季報ONLINE「自民党への献金額が大きい上場企業TOP20」
このように、特定の政党を特定の企業団体が献金によって支えています。
そのため政党は献金団体に対して有利に働く政治をする必要があり、さらにこれらの団体からもたらされる組織票を考えればさらにその影響力は大きくなる、ということを『Follow the Money』という言葉で表しているのでしょう。
参政党は個人による寄付で選挙を戦う
参政党は、企業や特定団体の営利ではなく国民の声をフェアに聞きたい、という理由から選挙資金を個人の寄付に頼って活動しています。
当然、個人の寄付であっても企業や特定団体からの献金であっても法律の範囲内で行う以上は何も問題はありません。
が、立花氏には参政党の「お金を貰っている割にはリターンを返しづらい理想主義な政策」について違和感があるのでしょう。
実際、参政党が掲げる政策には「農薬や肥料、化学薬品を使わない農業」を始めとする“きれいごと”とも取れる項目が並んでいるのも事実で、理想論を熱く語れる年代には受け入れられても現実のデメリットを想像できる年代にはあまりリーチできていないという側面もありそうです。
立花氏の評価は高いが…
※ここからは筆者個人の完全なる主観であるため、興味のない方は読み飛ばしてください。
立花氏の政党と金についての考察は非常に興味深いところがあり、彼の明確なビジョンとクレバーな戦略にはいつも感嘆させられます。
が、各方面からこれほど“頭が良い”と評される立花氏ですが、表立って見えてくるパフォーマンスに関しては正直全く賛同できない面が多くあります。
それは彼自身のメディアでの立ち居振る舞いであったり、擁立するNHK党候補者であったり。
この『アクの強いパフォーマンス』の数々は、ただの注目集めなのか、はたまた筆者のような凡人にはわからない意図、戦略が隠された好手なのか。
これについては引き続きNHK党が為す成果や影響を注視して判断して行く必要があると思います。
ガーシーの当選は政治に飽きた国民の悪ふざけなのか。
それとも巨悪を倒し得るひとすじの毒なのか。
彼に投票した国民は、ぜひとも自覚を持って事の顛末を見届けてください。