未来から来ました。ベーシックインカムの歴史について話します。

※本サイトはPRリンクを含みます


頭を柔らかくして読んでください。

2104年からタイムリープしてきました。具体的な事象について語ることは未来の改変に繋がる恐れがあるため禁止されており、そのためタイムリープの証明もできません。どーせフィクションだろうという程度の認識で読んでいただいて結構です。

ベーシックインカムの導入

世界の国々で、早いところでは2040年代頃からベーシックインカムを導入する国が増えていきました。導入の明確なきっかけとなったのはAIの隆盛です。

AIの隆盛と労働環境の変化

AI技術の急速な発展は2023年前後の生成AIの登場から始まったと聞いています。(発端となったOpenAI社は2030年時点で世界をリードする5大企業の頭文字を取った所謂「OMEGA」のひとつとして名を馳せていたらしい。)

生成AIは登場からものの数年で世界を席巻し、人類全体の労働意識や経済構造へ大きな変化をもたらしました。なお、あまりにも発展が急速過ぎた故に社会の様々な価値観にアンバランスを生じ、2030年代に世界規模のAI規制が導入されるという出来事(AIショック)もありましたが、ここでは詳細は割愛して話を進めます。

労働環境の変化

AI化(厳密には機械化、自動化、AI化のシナジーですがここでは簡潔にAI化という言葉でまとめます)は人類の労働環境に大きな変化をもたらしたそうです。

影響があった職種の詳細については冒頭に述べた理由で書くことはできませんが、あらゆる職種に於いて、もっと言えばほぼ全ての労働に於いてAI化の有用性や収益性がマンパワーを上回ったと聞いています。(今となっては労働の殆どを人間が担っていたという事実そのものが信じ難いレベルなのですがw)

当然企業は人間に給与を払って雇うよりも24時間高いパフォーマンスを維持して働くAIを労働力として重視するようになり、失業率はうなぎのぼりだったようです。

労働の価値観の変化

失業者が増え社会全体が大きな混乱に見舞われたなかで、徐々に社会は「働きたくても働けない」から「働かなくても良い」という価値観を許容するようになっていきました。その際、欧米諸国ではもともと仕事と私生活を切り分けて考える文化が根付いていたことから変化への対応は早かったようですが、逆に仕事=アイデンティティと考える日本のような国では新しい価値観の許容に相当な時間を要したようです。

社会保障制度の崩壊と改革

働かなくても良い、といってもお金は必要なので、当時は生活保護の申請件数が爆発的に増えたそうです。そして当然のことながら社会保証制度に係る財政バランスが一気に悪化しました。

それでも企業が利益追求のため生産性の高いAI活用を推し進めるのは当然のことで、政府には民間企業の雇用をコントロールできるはずもなく、当時の社会保障制度のままでは国家の維持が難しくなりました。その結果、なし崩し的にベーシックインカムの導入という大改革が断行されたわけです。

ちなみにベーシックインカム制度の内容は国によって大きく異なりました。国民性、人口構成、産業構造など条件は様々ですから当然といえば当然ですが。世界に先駆けてベーシックインカムを導入した北欧諸国はもともと社会保障制度が手厚かったためベーシックインカムへの移行もスムーズだったと言われていますが、それでも度重なる制度の改修を経て経済が安定するまでには導入から20年弱の時を要したと言います。

税改革

ベーシックインカムの導入に際しては大幅な税改革も必須課題でした。国民が働かなくても良いのですから所得税はあてにならない。そこで大幅に改正されたのが「法人税」です。

もともと人間を雇うには賃金、社会保険料の労使折半、福利厚生など多額の費用がかかりますが、人間を雇わずにAIを導入すればかかるのは機材の購入費と運用、メンテナンスにかかる維持管理費くらい。それでいて労働可能な時間は人間の3倍で、作業効率に関しては比較もできないほど向上します。

そして企業の利益率が爆発的に飛躍した結果、法人税は大幅に引き上げられることになりました。

ざっくり言えば企業側はAI化によって伸びた収益に対して多額の税を負担し、人間を雇う場合は一定の控除を受けることが出来るという仕組みですが、それでもAI化によってもたらされる恩恵は人間を雇用する場合よりも数倍大きかったため経団連からの大きな反対もなく、AI化の波が衰えることは無かったようです。

あと細かいことですが、消費税に関しては生活必需品(最低限の衣食住にかかるもの)は免除され、贅沢品にのみ課されるようになりました。いわゆる贅沢税ですね。まぁ細かいことです。

労働からの解放

AIが稼いで税金を納め、人間は労働から解放されました。このことにより社会には数々の変化がもたらされました。

労働意識の多様性

労働に関する意識、価値観はかなり多様です。働かずに悠々自適に暮らす人もいますし、ベーシックインカムでは足りない分を補う目的で週に1~2日だけ働くという人もかなりの割合でいます。もちろん企業の第一線で働く優秀な人や事業を立ち上げる人もいて、どんな価値観もどんなチャレンジも許容されやすい社会だと言えるんじゃないでしょうか。中でも納税額ランキングに載るような高額納税者は国民から英雄視され、憧れられる存在になっています。

犯罪率の低下

犯罪が無くなることはもちろんありませんが、それでも犯罪白書によれば「食うに困ってやむを得ず」という形での犯罪はかなり減ったそうです。

社会奉仕活動の増加

労働が必要なくなったため持て余した時間を社会奉仕活動に費やす人が増えました。特に注目すべきは、地域の見守り活動や清掃活動、教育現場への民間ボランティアの登用など「ローカル生活域でのコミュニティ活動」が活発になったことでしょうか。

付加価値の創造

創作活動や新サービスの開発など、AIにはできない「創造と発明」に関する活動が活発になったことで新たな付加価値やビジネスが生まれ続け、人間が労働に没頭していたころよりもさらに経済を大きく発展させるという結果に繋がっているようです。

出生率の改善

暇が増えると子供が増えると言いますが、経済的な悩みから解放されたことや余暇に費やす時間が増えたことで婚姻数が増加し、出生率も回復傾向に転じました。生活コストを効率化するために非核家族化が進んだことや、地方への移住が増えたこともプラスに働いたのではないかと言われています。

最後に

多数の国々がベーシックインカムに舵を切ったことで、ここでは書ききれない様々な変化が世界中で起こりました。相変わらず宗教や資源、領土問題に端を発する戦争は無くなっていませんが、少なくとも一時期日本を覆っていた「閉塞感」のようなものは無くなったと両親が話していたのが印象的です。

信じるか信じないかはあなた次第です。


Subscribe
Notify of
0 Comments
Oldest
Newest Most Voted
Inline Feedbacks
View all comments