保険証の統合、更には免許証との一体化構想とマイナンバーカードがようやく実用的で便利なツールに生まれ変わろうとしている。
しかしながら生活の利便性を向上させるメリットに富んだ変革になぜか反対する人たちが存在する。
このことについて高橋洋一氏のコメントが面白い。
▶「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に反対の意見に答えます」
以下はおおよそ予想される反対意見についての筆者の考えである。
紙の保険証は必要?
既存の保険証は統合、廃止される。
すると「紙の保険証も必要」「マイナンバーカードを持たない人が保健医療を受けられない」と反対意見が出る。
が、解決のためにはマイナンバーカードを持てばいいだけの話である。
また、”マイナンバーカードを持たない人もきっといるから自分はそんな弱者の味方をしなければいけない”という代弁者的な正義感に浸って反対意見を述べる人は、そもそも誰のためのマイナンバーカードなのかを理解すべきだ。
マイナンバーカードに統合されれば保険証の不正利用は減り、紙の保険証をわざわざ発行、郵送するコストが減り、管理コストも減ることになる。
無駄なコストの削減は税金の有効利用につながりその分行政サービスが充実する。
当然行政サービスの恩恵を強く受けるのは社会的弱者であり、日本国民にとってメリットしか無いはずである。
であるならば、マイナンバーカード程度のテクノロジーについて行けない人を”かばった気になる”だけの反対意見よりも、正しい理解を広めて一刻も早く普及率を上げるほうが最終的には弱者のためになるはずである。
マイナンバーカードは紛失の際のリスクが大きい?
保険証や免許証を統合した場合、万が一紛失したときのリスクが大きいと指摘する人がいる。
が、マイナンバーカードに限らず、既存の保険証や免許証だって、クレジットカードだって家の鍵だって、なんだって紛失すればリスクはある。
それらを別々に管理する煩雑さに比べたらマイナンバーカード一枚を管理する手間のほうが遥かに小さく、管理しやすいのだから安全性も確保しやすい。
そもそも、保険証や免許証を別々に発行、所持していたとしても持ち出すときは結局一つの財布やカード入れ、かばんに入れて持ち歩くのだから紛失するときはどのみち一緒である。
また紛失後の再発行に使用する身分証が無くなると指摘する人もいる。
これについてはもっともな指摘だと思うが、あくまで導入に向けて解決すべきハードルであり、これが理由で導入を取りやめようというレイヤーの話ではない。
解決手段は山ほどあるだろう。
極論、体に埋め込んでしまっても良いのだ。
マイナンバーカードは個人情報漏洩のリスクが大きい?
「個人情報が漏れそうで怖い。」
「口座を紐付けると国に自分の預金が知られてしまう。」
といった漠然とした不安で反対しマイナンバーカードを持たない人もいるが、はっきり行ってただの情弱である。
マイナンバーカードには券面に記載されている住所、氏名、顔写真程度の情報しか格納されておらず、カードに搭載されているICチップに個人情報がぎっしりと詰め込まれているわけではない。
あくまでサーバー上の個人情報にアクセスするためのキーとなる情報が埋め込まれているだけで、さらには使用時にパスワードも必要となるのだから「カードからいろいろな情報を吸い出されそう」という心配は無用である。
さらに言えば、すでに国はその気になれば個人の情報などいくらでも入手できる情報網や手段や強制力を持っているし、そもそも本当に自分の情報を国に知られてマズイのは脱税を行う犯罪者くらいである。
また詐欺やハッカーに悪用されるリスクという点で言えば、その気になればすでにマイナンバーカードに限らずPCやスマホ、クレジットカードなどあらゆるものから個人の情報もしくは近しい情報にたどり着くことが可能である。
悪意ある攻撃から完全に身を守ることは不可能であるし、その中で言えば既存の古いシステムよりは比較的新しいシステムのマイナンバーのほうがセキュリティ能力は向上していると言える。
本当の意味で個人情報を守ると言うならスマホもPCも使用せずに山奥で外界とのコンタクトを排除した自給自足の生活を送るしか無く、そこまでの覚悟もないのに「セキュリティがー」と言い出すのはただの馬鹿かポジショントークだ。
ただ変化が怖いだけ
これはマイナンバーカードに限った話ではないが、日本人は理由もなく変化を嫌がる傾向が強いのではないか。
マイナンバーカードが普及すれば行政側のあらゆるサービスに関して管理コストが減り、スピード感が増すことで生活が便利になる。
これはただの主観ではなく、日本を追い抜いていく先進各国が実際に証明している事実である。
それなのにろくに調べもせずに「なんか嫌だ」と言い出す。
そして普段は信用もしていない野党やマスコミにこんな時だけ乗っかって声を荒げる。
めずらしく国民に利があるシステムなのにしっかりと説明できない政府や政治家も悪いとは思うが、国民ひとりひとりも自分にとって得か損かくらいは調べて考えるという当たり前の行動を身に着けてほしいものである。