「何もしない首長のほうが支持率が上がる。でも本当は揉めている人が何かを変えようとしている人。」既得権と戦う若手市長たちの言葉

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地方自治から日本を変える

▶Re:Hack「大ゲンカ!若き市長はなぜ揉める?」より
ゲスト:安芸高田市長 石丸伸二氏/徳島市長 内藤佐和子氏/福岡市長 高島宗一郎氏

https://youtu.be/zzujdc34_Gs

ひろゆき氏
「物事を変えようとして揉めないでなんとかしてる人っていないんじゃないですかね?政治をやってる人で。」

高島氏
「おっしゃる通りで、何もしない首長の方が支持率上がるんですよ。
それは“上手くやっている”風に見えるから。

でも物事を変えるときって既得権を壊すことにもなってしまうので絶対地域でハレーション※があるんですよ。

そうすると有権者には“あの首長は上手くやれていないんじゃないか?”って映るんです。

本当は揉めてる人こそ何かを変えようとしている人という見方になってくれたらいいなってすごい思いますね。」

※ハレーションとは、撮影時に強い光が周囲に悪影響を及ぼすこと。転じてビジネスシーンでは2つの異なる力が接したときに起こる拒絶反応の意味で用いられる。

ゲストの3名の市長が実際に直面した抵抗勢力による嫌がらせの実例は是非動画をご覧ください。
中傷ビラから殺害予告まで、地方ならではのアナログで時代遅れな、それでいてノスタルジックwな手段の数々が赤裸々に語られています。

超日本人的「事勿れ主義」の実態と弊害

何もしない首長の支持率が上がる。

この現象は地方自治に限った話ではなく、今まさに岸田内閣の支持率を支えている現象と酷似しています。

よく言われるのは、岸田首相の「聞く力」の正体は、八方すべての意見を聞いて全てに忖度した結果何もしないという戦略。
「憂慮すべき問題である」「今後も検討していく必要がある」「丁寧な説明が必要だと認識している」などの常套句で対応している感だけを演出し、その実、問題が風化して忘れ去られていくのをジッと待つだけで具体的な結果も成果も出さない。
それでも国民は「納得感のある説明をしてくれている」といって批判するどころか支持してしまうという矛盾。

これがまさに「揉めない=円滑」という超日本人的な事勿れ主義なのではないかと思うのです。

ビジネスの場に置き換えて考えてみると、社長の前で「今まさに取り組んでいます」と進行形であることを強調し続けるだけでいつまで経っても成果が無い状態。

「いつまでに」「どんな形で」「どの程度の」成果をもたらすことを予測し、実行し、効果を検証し、改善する。
ここまでが必ず一連の行動であるべきなのですが、予測だけを匂わせて実行も検証も改善もなく、それでいて効果を検証しないからたとえ間違いであっても表面化しない。
表面化しないから批判もされない。
批判されないということは上手くいっている。

こんな馬鹿げたカラクリが政治の世界、ことさら岸田内閣では通用してしまうということが、超日本人的「事勿れ主義」の弊害だと言えるのです。

揉めることで前に進む

揉めずに上手くやる、ということは
「今までこれでやってきたから」
「このやり方で上手くいってきたから」
と考える既得権者に付き従うということです。

既得権者は現状維持でポジションを守れるし、短期的に見れば大きな変化も大きな失敗もなく、一見問題ないように見えることもあるでしょう。

ですが、実際には常に時代は進み、ツールも考え方も進化しています。
周りが進化する環境においては、現状維持は緩やかな退化を意味しているということを知るべきです。

常に現状を疑い、より良い方向性を模索する。
この考え方こそが真に現状を維持し発展させていくのだということを、前述の若い市長たちこそが体現しようとしているのだと認識すべきです。

そしてこの考え方の違いは若者vs高齢者の対立構図の話だけでは無いのかも知れません。
なぜなら「なんとなく今のままで不満がないから」という理由で与党に投票する若年層の考えにも似ているような気がするのです。

現実問題として日本の人口は減り、経済は衰退し、世界の進化についていけなくなっています。
このような時代に「揉めないことは良いことだ」と考えることが正しいことなのか、今一度考え直す必要があるのではないでしょうか。


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